冬の夢 価格: 1,890円 レビュー評価:4.0 レビュー数:2 フィッツの若き日の作品群。
懐かしさを超えた古き米国の出来事。
村上さんの翻訳を経て、みずみずしく蘇った。
じっくりと読み返したい作品群だ。 |
遠い太鼓 (講談社文庫) 価格: 840円 レビュー評価:5.0 レビュー数:32 「深夜特急」を読んで海外へ出た人は多いようですが、私はこれで海外へ旅行しました。もちろん、作品中に出てくるギリシア・イタリアです。多くの部分は滞在記で、旅行と海外永住の真ん中に位置します。日本にいるようにものごとがスムーズに進まない、それがまた海外らしさと面白さをかもし出し、全て準備済みの旅行と違う魅力があることをこの本に教えられました。そして不便であっても発見の多いこんな暮らしに自然と憧れてしまいました。
これを読んだのは就職活動前で、このような経験をずっとしていきたかったので、就職してからも1カ月の休みが取れるような会社を本気で探しました。(本当にあったんです)それから、10 |
|
|
|
ダンス・ダンス・ダンス〈下〉 (講談社文庫) 価格: 680円 レビュー評価:4.5 レビュー数:15 1:ビジネス書として。
上巻の最初の部分にプロフェッショナリズムに
基づく仕事の方法論が簡潔に述べられている。
2:世代論として。
1940年前後生まれの牧村、1950年前後生まれの「僕」と
五反田君、1960年前後生まれのユミヨシさん、1970年前後生まれの
ユキ。アメは恐らく1945年前後生まれだろう。戦後日本人の精神史を
横列配置した群像劇とも読める。
3:時代小説風ファンタジーとして。
1983年3月から数ヶ月間が舞台だが、発行は1988年の秋。
< |
国境の南、太陽の西 (講談社文庫) 価格: 540円 レビュー評価:4.5 レビュー数:88 村上春樹の代表作を教えてくださいというと、それは「ノルウェーの森」だったり、「海辺のカフカ」だったりするのだけれども、これは目立たないけど名作だと思う。不倫というありふれたテーマで、これだけ読ませるのは、作者の力量がかなりすごい事を示している。 |
ダンス・ダンス・ダンス〈上〉 (講談社文庫) 価格: 680円 レビュー評価:4.5 レビュー数:24 僕という主人公は34歳。結婚していた女性に逃げられ、いまは一人暮らし。社会や人生が分かりかけてきた男にとっては、仕事も生き方も優秀でなければならず、ダンスのステップを正確に踏み続け、人からもホメラレルように踊り続けることが求められという暗喩が一環して流れるのがこの小説のテーマです。そのダンスステップがいい人生、と思われることに、主人公は疑問を抱き続けることに。
札幌の「いるかホテル」で働く女性と知り合い、互いに惹かれ合う仲となっても、二人はその気持ちを素直に表現できないでいます。そのホテルで出会うことになるのが、不気味な羊男。さらには、ひょんなことから主人公の僕は、 |
|
|
|
羊をめぐる冒険〈下〉 (講談社文庫) 価格: 500円 レビュー評価:4.0 レビュー数:22 物語自体は、美しい耳のガールフレンド、羊という思念、羊男の存在など不思議な部分が多々ある。
この辺は突き詰めて考えるも良し、そんなもんかと軽い感覚で読み進めてもいいと思う。
読み終えてビックリしたのは、鼠という存在が私(読み手)の想像以上に大きくなっていたことだ。
風の歌、1973年のピンボールを読んでも、本書の終盤に至っても、鼠はそれほど大きな存在だと感じていなかったのだが。
それがラスト5行に到達したとき、形になった。
あるはずの所にあるべきものがないのは、とても辛い。
激しい喪失感を覚え目頭が熱くなっ |